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工場の花輪3
今週のことば

毎週に一度、皆さまにヘンリ・ナウエンの著書よりメッセージをお届けいたします。

2023年5月第4週

6月1日 イエスは世にいながら、世のものではない
 山上の垂訓は、イエスの自画像を見せてくれます。最初は、まったく魅力のない自画像に見えるでしょう。貧しくて、悲しみ、迫害される人、そんな人に誰がなりたいと思うでしょう。真に柔和で、あわれみ深く、心が清く、平和を作り、絶えず正義について関心を抱くことができる人などいるのでしょうか。そんな人になるのは、非現実的ではないでしょうか。この世で私たちは生き延びなくてはなりません。そのためには、この世のやり方に従うべきではないのでしょうか。
 世にいながら、世のものにはならない生き方をイエスは私たちに示しています。イエスの生き方を模範とするなら、新しい世界が開けてきます。天の御国は私たちのもので、この地は私たちが受け継ぐものとなります。私たちは慰めを受け、満たされるでしょう。あわれみが私たちに現されます。そうです、私たちは、死後だけではなく、いま、ここで、神の子どもと認められ、ほんとうに神を見ます(マタイ5:3-10)。それこそ、イエスの生き方を見習うことによって受けとる報酬です。

6月2日 イエスのように
 自分とイエスとの間に距離をおいて考えることがよくあります。「イエスが知っておられたことを知ることはできないし、イエスが行われたことを行うことはできない」と。しかし、イエスは、ご自分と私たちの間に距離をおかれません。イエスは言います。「わたしはあなたがたを友と呼ぶ。父から聞いたことをすべてあなたがたに知らせたからである」(ヨハネ15:15)、「 はっきり言っておく。わたしを信じる者は、わたしが行う業を行い、また、もっと大きな業を行うようになる」(ヨハネ14:12)。
 事実、イエスが知っていたことを知るように、そして、イエスが行っていたことを行うように私たちは召されています。はたして、そうすることを、私たちは本当に願っているのでしょうか。それとも、イエスとの間に、適当な距離をとっておきたいのでしょうか。

6月3日 イエスと一体であることを告白する
 ずっと昔に生きた人、でも、その生きざまと言葉は、いまだに私たちに霊感を与え続ける、並外れた、非凡な人物イエスを知ると、私たちが、イエスのようになることを期待されているとは、考えたくありません。「あなたがたも、無条件の神の愛によって愛されている神の子どもです。そう知らせるためにやってきました」、と神の愛する御子イエスは、さまざまなかたちで、繰り返し語っています。
 ヨハネは信徒たちにこう書いています。「わたしたちが神の子と呼ばれるためには、どんなに大きな愛を父から賜わったことか、よく考えてみなさい。わたしたちは、すでに神の子なのである」(1ヨハネ3:1)。イエスと一体になっていることを告白し、「私たちは、今日、まさに生きているキリストです」と言うこと、それは、霊的生活の大きなチャレンジです。

木
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ヘンリ・ナウエン(Henri Jozef Machiel Nouwen)

1932年1月24日 - 1996年9月21日

オランダ出身のカトリック司祭であり、元ハーバード大学教授スピリチュアリティに関する著作を数多く残した著作家、研究者としても著名である。日本語にも多くの翻訳がある。

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